せん断補強RMA工法
建設技術審査証明取得工法
Reinforcement by Mortar Anchor
有効期限2027年8月5日 建設技術審査証明事業
(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)
(一財)土木研究センター 建技審証第1203号
RMA-AF 厚生労働省令適合品
工法の概要
RMA工法は、プレミックスモルタルを収容したカプセルを定着剤として採用。長尺や太径補強鉄筋に対して打撃による施工が可能となった、あと施工 によるせん断補強工法です。
現場でのモルタル混練や注入孔の設置が不要なので、特別な管理が必要ありません。
不足したせん断耐力分のみ、あと施工で補強を行い、せん断破壊先行型から曲げ破壊先行型へ移行することが可能です。
■上向き削孔状況

■RMA工法イメージ

工法の特徴
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○削孔が小径かつ1度だけで施工可能です。
○現場での混練がなく、安定した品質を確保します。
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○シンプルな製品構成や施工方法です。
○既存構造鉄筋への干渉が少なく、高止り対応が可能なので再削孔が減少します。
-
○大型機械や特殊機械を用いない工法です。狭隘箇所においても、継手を用いて施工可能です。
○長尺施工も対応が可能です。
- ■せん断崩壊と補強イメージ
無補強
RMAによる補強
施工フロー(※コアドリルの場合)
コアドリルのベースをセットし、削孔する。
所定寸法まで削孔を行う。清水を循環し孔内の清掃を行う。
RMAを2~5分間浸漬する。
浸漬完了後、速やかに孔内に挿入する。
ハンマードリルまたはチッパーにより補強鉄筋に打撃を加えながら所定寸法まで打込む。
所定のかぶり厚さを確保し左官仕上げを行う。このとき余分なモルタルについては除去する。
製品バリエーション
RMA及び両端頭付きせん断補強鉄筋
RMA-AF及び両端頭付きせん断補強鉄筋
両端頭付きせん断補強鉄筋
転造ねじ 継手
施工および仕様
補強鉄筋の呼び名 | D13 | D16 | D19 | D22 | D25 | D29 | D32 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
削孔径 φ(mm) | 16 | 22 | 28 | 32 | 36 | 40 | 42 |
RMA品番 せん断補強鉄筋の種類 |
RMA- 1418 | RMA- 1824 | RMA- 2430 | RMA- 2636 | RMA- 3038 | RMA- 3440 | RMA- 3638 |
RMA-AF品番 せん断補強鉄筋の種類 |
RMA- 1418AF | RMA- 1824AF | RMA- 2430AF | RMA- 2636AF | RMA- 3038AF | - | - |
せん断補強鉄筋 βaw上限値 (両端頭付き) |
0.93 | 0.92 | 0.90 | 0.89 | 0.87 | 0.85 | 0.84 |
設計 RMAを用いた部材のせん断に対する安全性照査
RMAを用いたせん断補強鉄筋により補強された部材のせん断耐力が作用するせん断力より大きいことを確認することにより、補強後の構造物の安全性の照査を行う。RMAを用いたせん断補強鉄筋により補強された部材の単位長さ当たりのせん断耐力Vydは、式(1)と式(2)によりRMAを用いたせん断補強鉄筋のせん断耐力への寄与を考慮し、2012制定コンクリート標準示方書[設計編:標準]3編2.4.3.2に準じて、以下のように求めてよい。
Vyd=Vcd+Vsd+VRMAd ………………………………………………………………………… (1)
VRMAd=βaw・Vawd=βaw[Aaw・fawyd(sinαaw+cosαaw)/Saw]z/γb …… (2)
βaw=1-ly/Srb
ただし、先端側の主鉄筋が1段の場合は1-ly/(Srb-D’/2)
また、βawの上限値は、上表とする。
- Vcd
- :せん断補強鉄筋を用いないRC部材の単位長さ当りのせん断耐力
(2012制定コンクリート標準示方書[設計編:標準]3編2.4.3.2の式) - Vsd
- :既存のせん断補強鉄筋により負担されるRC部材の単位長さ当りのせん断耐力
(2012制定コンクリート標準示方書[設計編:標準]3編2.4.3.2の式) - VRMAd
- :「RMA」のせん断補強鉄筋による負担される単位長さ当りのせん断耐力
- Vawd
- :「RMA」のせん断補強鉄筋を通常のせん断補強鉄筋とみなして求められる単位長さ当りのせん断耐力
- βaw
- :「RMA」のせん断補強鉄筋のせん断耐力の向上への有効性を示す係数。
ただし、部材厚が下記の場合、βaw=0(適用外)とする。
先端斜めカットせん断補強鉄筋:400mm未満、転造ねじ継手付きは500mm未満
両端頭付きせん断補強鉄筋:300mm未満、転造ねじ継手付きは400mm未満 - Aaw
- :単位長さ当りの区間Sawにおける「RMA」のせん断補強鉄筋の総断面積
- fawyd
- :「RMA」のせん断補強鉄筋の設計降伏強度で400N/m㎡以下とする。
- αaw
- :「RMA」のせん断補強鉄筋が部材軸となす角度
- Saw
- :「RMA」のせん断補強鉄筋の配置間隔
- z
- :圧縮応力の合力の作用位置から引張鋼材図心までの距離で一般にd/1.15(dは有効高さ)とする。
- γb
- :部材係数。ここでは、1.1とする。
- ly
- :「RMA」の定着長(せん断補強鉄筋が先端斜めカット:6D、両端頭付き:4D)
- Srb
- :せん断補強対象部材の圧縮鉄筋と引張鉄筋のそれぞれの図心の間隔(d-d’)
ただし、下記の場合、「RMA」の適用外とする。
1段配筋:標準はd-d’-D’/2≦2ly、転造ねじ継手付きはd-d’-D’/2-LJC≦2ly
2段配筋:標準はd-d’ ≦2ly、転造ねじ継手付きはd-d’-LJC≦2ly
(LJCは転造ねじ継手全長)
(圧縮鉄筋がない場合は、有効高さから引張鉄筋のd’と同じ分だけを差し引く。ただし、引張鉄筋のかぶりは、50mm未満の場合、「RMA」の施工性から50mmとする。) - D’
- :背面側最外縁の主鉄筋の直径
「RMA」で補強されたRC部材の単位幅当たりのせん断耐力Vydが、上記の式で算出できることを部材実験により確認している。
最終破壊時写真
骨格曲線の重ね合わせ